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NPO法人という世界 - ミライ経済Lab.株式会社‐企業改革に関するお悩みをサポート

コラム

NPO法人という世界

カテゴリ: コラム 作成日:2019年05月17日(金)

こんにちは。ミライ経済Lab.株式会社 代表の神田千鶴です。

 

前々回3月のコラムでは、私がこの会社を興した「もう一つの理由」をお伝えしました。

もう読んでくださいましたか?読んでない方は、ぜひ読んでください!

未来の話しにはなりますが、不遇な環境にある子供たちが将来を諦めることなく、

のびのびと育つ場を作ることに取り組んでいきたいと思っています。

 

そう思っている矢先、

縁あって、子供に関する社会課題に取り組む複数のNPOの方たちとの出会いがあり、

色々な形で関与させて頂くことで、企業とはまた異なる世界を知ることになりました。

 

「会社とは何だろう」という私の中に常にある命題と、ついつい照らして考えるクセがついているようで、

組織という視点で、会社との違いに目がいきました。

 

 

NPOという組織に感嘆したこと

 

(1)多様性がすごい!

経歴も価値観も本当に様々な人たちが、集っているので、

「えー。そういう発想もあるのか」みたいなことばかり。

自分の価値観と違って理解はできない、けど受け入れはする、という文化が根付いているようにみえます。

特に、選択肢など考えられる可能性を挙げている時は、

組織としてより広い視野で選択できる結果になるので、すごいです。

私が関わる人たちは、全員日本人ですが、それでもこんなに多様性を感じれるのは、新たな発見です。

 

(2)共通目標に対する熱量がすごい!

子供たちをよりいい環境に、という想いがそれぞれ熱くて、「惰性」みたいなことがあまりなく、

エネルギッシュです。これを情熱と呼ぶのね、と改めて思うほど本当に熱いです。

また、それを引き出したり、ココロを揺さぶるための仕掛けも用意されていたりするので、勉強になります。

 

(3)運営にムダが少なくて合理的! 

NPOは、その活動だけでは食べていけなくて、メンバーの多くが兼業の場合が多いことから、

限られた時間を有効に使わざるを得ないというところもあるんでしょう。とにかく、

会議も密度が濃くて、色々なことをどんどん決めていくので、終わったらグッタリ。

今日の会議って何の意味あるんだっけ?みたいなのがないのは、素晴らしいです。

 

(4)智恵と工夫がすごい!

資金が充実しているNPOというのは、ほんの一握りで、

大抵のNPOは資金難の場合が多いというのが現状です。

だからこそ、資金の集め方含め、あらゆる場面で智恵と工夫をもって乗り切る姿勢があり、

集まった資金にとても感謝しつつ、「集まったこの資金でできる最大のことは何か」が常に意識されているように感じます。

 

(5)「走りながら考える」というやり方が既に取り入れられている!

社会課題の解決のために動くというのは、「先例のないこと」のオンパレードなので、

英知を集結して協議はするものの、視点は、「絶対やらないか否か」とシンプルにみえます。

絶対にやらない、今はどうしてもできないとジャッジしたもの以外は、とりあえず動いてみてから考える、

というのが普通に浸透しているのは驚きです。

 

 

 

もちろん、いいことづくめで盤石!というわけではなく、課題もあります。

 

1つは、(4)であげた、活動財源の確保は常に大きな課題である、ということ。

NPO法人の主たる財源は、寄付や助成金という極めて不安定なものです。

株式会社制度のように、投資者(資金の出し手)に直接利益が還元されることがない、

というのも資金集めを難しくする一因ではあります。

ですが、日本では、

度重なる災害で「助け合って生きていこう」という個々人の意識が眠りから目覚めたことを契機に、

企業自体も自社の社会的存在を再考し始め、CSRの一環として、SDGsを意識して、

社会課題に関与していこうという方向にあることは、

きっかけはどうあれ、健全な会社への第一歩だと思っています。

 

もう1つは、組織の運営の難しさです。

NPO法人という組織に感嘆したこれらの内容は、まさに今の時代の企業にも求められているものばかり。

NPOが企業の先をいっていると私は感じるのですが、その運営は、まだ試行錯誤中にみえます。

例えば、(1)であげた多様性。

価値観が違う意見も受け入れるとはいえ、

他のメンバーに自分の意見をきちんと説明することは必要です。

「ほら、アレだよ。そんな感じ」みたいな曖昧な言葉でも、企業内でずっと一緒にいる人には伝わりますが、

ここでは、そうはいきません。

なので、あうんの呼吸で仕事が進む環境で育ってきた人がメンバーに多くいると、

それぞれが持つ「常識」の「違い」を逐一確認しないといけないひと手間が生じますし、それを怠ると、

誤解したまま事が進んでいってしまう場合もあります。

 また、先に書いたように、資金的な事情から、メンバーが常勤ではないというのも

スムーズな運営の障害になっている場合もあります。

 

 

ほかにも色々と課題はあります。

ですが、企業が参考にできることはとても沢山あるように感じています。

 

現状を変えなければいけない、わかっているけど、変わらない、変えられないと苦慮する企業のみなさま。

どうしてNPOではさっさと実現できていると思われますか?

 

NPOは組織の規模が企業に比べて小さいから、存在目的が違うから実現できているのでしょうか。

 

それもあるでしょう。しかし、私は、それだけではないと思っています。

 

 

 

 

組織は人なり。人は、『仕組み』 『仕掛け』 『感情』 で動くと、私は考えています。

どれが欠けても十分な成果は出ないとも思っています。

NPOには、このすべてが揃っているんです。

 

 

さて、あなたの組織は、すべて揃っていますか?

どれが不足しているでしょうか、どれが不十分でしょうか?

 

ウチの社員は変わってくれない、

ウチの組織は変わらない、

と嘆く前に、まずはじっくり観察してみてはいかがでしょうか。

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